研究課題/領域番号 |
16K16839
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
氷野 善寛 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (80512706)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中国語 / 中国語研究 / 中国語教材 / 形態素解析 |
研究実績の概要 |
本研究では中国語教育・研究双方で利用できる「中国語形態素解析システム」と形態素解析に必要な「解析用辞書」を構築することを目的としている。この形態素解析システムが目指す最終的な到達点としては、研究目的として過去100年程度における中国語教材に含まれる中国語のテキストを通時的に解析し、さらに教育目的として現代の中国語教材を対象として、教育目的で解析が必要となる解析能力を有するシステムを構築することにある。そこで、本年度は特にシステムの基礎的構築を行い、現代の中国語教材に含まれるテキストを解析するために必要となる辞書を構築するために、関連資料の収集やデータ整理を行うことに重点を置き研究活動を進めた。 具体的にはウェブ上で利用できる中国語解析システムの構築、形態素解析を行うための「解析用辞書」の構築を行うために、現代中国語で常用される中国語の単語データの収集を行い、リスト化を進めた。形態素解析システムについても開発段階のものを、サンプル調査用に以前から設置しているテストサーバー上に設置し、運用上の問題などを実際の使用感を確認しながら調整を進めている。この「解析用辞書」の構築を進めるための単語データの収集、テストサーバー上でのシステムのチェックについては今年度も引き続き実施する。 またこれらのシステムの開発と並行して、国内外の中国語教材関係のデータベースを有する教育研究機関の調査を進めており、今年度は中山大学の中国語解析用のシステムについて調査を行い、実際に訪問し意見交換を行った。 最終的に研究内容、開発中のシステムについて関連する学会で現状と今後の方向性について報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の中心課題である、形態素解析システムの構築、資料の収集はおおむね順調に進行している。予定していた中山大学が開発した形態素解析システムに関する調査、情報収集についても、実際に開発担当者と会い、現状について情報交換をした。また情報公開の面においても2016年度の日本中国語学会全国大会や中国・中山大学で開催されたシンポジウムにおいて本研究プロジェクトに関連した内容について報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、解析用辞書構築のためのデータの整理を行う。29年度は主に通時的な内容を解析するのに必要なデータを追加するためのサンプルデータを取り扱う。過去150年の間に出版された教材は数千冊あり、近年でも毎年100冊程度の教材が刊行されているため、教材が利用されている範囲、印刷部数、社会的影響力など複数の観点から教科書を評価しデータ化する教材を選定し、サンプルとするテキストデータの分割や品詞のタグ付などこれまで同様の一連の作業を行い連結コストを再計算し、形態素解析用辞書を更新する。これにより完成した形態素解析システムを利用して各教材の扱う語彙の量的な分析を試験的に行い、各時代の基本語彙の動向を分析する段階へと進みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
レンタルサーバーの使用開始時期を次年度以降に先送りしたために生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究環境の変化に伴い、研究を進めるために必要となる機材の購入を行う。
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