北京官話を対象とした中国語教育は明治期から現在まで100年以上もの間、実施されてきている。歴史を紐解き、それぞれの時代で学ばれてきた中国語がどういったものだったのかを知ることは、単に教材の歴史を知るだけではなく、それぞれの時代の人々がどういった眼差しで中国を見ていたのかということまでも知ることができる。しかし会話書、教科書といった資料は図書館などの公の機関の蔵書になりづらく、永らく研究対象にもなっておらず、研究を実施するための基礎資料も限定されたものしかなかった。そこで本研究ではそういった資料を積極的に収集、データベース化することで、今後当該分野の研究環境を整えるという意義があったと考える。
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