本研究では、琉球諸語における焦点助詞 (du, ga)による焦点標示の方言差(バリエーション)を記述するとともに,そのバリエーションに関して,可能なパターンを記述でき,不可能なパターンを予 測できるモデルを提示することに成功した。焦点助詞の使用が、焦点タイプ(WH焦点vs. WH応答焦点 vs. 対 比焦点)と焦点ドメイン(項焦点 vs. 述語焦点)の2つの変数で記述できることを示した。さらに、琉球諸語の焦点標示に関して,通方言的に以下の2つの階層 を提案した。 (1) 焦点タイプの階層:対比 > WH応答 > WH (2) 焦点ドメインの階層:項 > 述語
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