研究課題
若手研究(B)
本研究では、ダイクシス(直示)について、対照研究、歴史研究、方言研究の観点から考察を行った。具体的に取り上げた言語表現は、直示動詞、指示詞、卑罵語、親族名称などである。これらのダイクシス表現の運用には、日本語と他言語、共通日本語と古代日本語、共通語と方言(出雲方言)とで違いが認められることが明らかとなった。
言語学
ダイクシスに関して幾つかの一般言語学的に有意義な一般化を提示し得た点、ダイクシスというカテゴリーを日本語研究の中に取り入れることの有効性を示し得た点などは、本研究の重要な成果である。また、本研究の成果の一部を反映させた語用論の入門テキストを編んだ(『はじめての語用論―基礎から応用まで―』(加藤重広・澤田淳編、研究社、2020年)。語用論のテーマについての最新の研究動向を盛り込んだ入門書となっている。