平成29年度は、「色葉字類抄」所収語の研究、古辞書データベース構築、共同研究、学会発表、論文投稿を行った。具体的には以下の通りである。 【「色葉字類抄」所収語の研究】三巻本「色葉字類抄」雑物部に収録された語彙の性格につき検討し、論文投稿を行い、採択された。(「『色葉字類抄』「雑物部」の研究」、「国語語彙史の研究」37) 【共同研究②古辞書と古記録語彙の対照】古記録研究者と共同で「色葉字類抄」の語彙と「明月記」の語彙の比較検討を行い、国際学会にて研究発表を行った。(The Validity of Using Iroha-Jiruisho to Interpret Ancient Japanese Diaries of the Male Nobility、EAJS2017) 【共同研究②古辞書データベース構築】三巻本「色葉字類抄」収録語彙データベースを更新し、「二十巻本和名類聚抄[古活字版]」のテキストデータを公開した(https://textdb01.ninjal.ac.jp/dataset/kwrs/)。また、古辞書の構造化にあたり問題となる点等につき、「和名類聚抄」を例として共同研究を行い、学会発表を行った。(「古辞書の構造化記述の試み―和名類聚抄を例に―」、日本語学会2017年度秋季大会) 以上は、交付申請書の「研究の目的」「研究計画」に記したA【①収録語彙の研究 ②伝本研究】 B【語史研究】 C【データベース作成】 の三点について、計画を予定通り遂行したものである。
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