従来の「広い質問」を用いた質問回答ペアにおける実験では、主語Only文の正答率が29.6%であったのに対し「狭い質問」を用いたペアでの実験では、正答率は70.8%であった。また、「広い質問」を用いて主語位置に焦点を集めやすいとされる数詞を用いた実験では、3歳児のグループが65%、4歳児が61.5%、5歳児が69.2%、6歳児以上が94.2%であった。先行研究では「子どもは主語Only文の文法知識に欠けている」との仮説が提案されてきたが、本実験の結果が示唆するように「子どもは主語Only文を理解する文法知識は持ち合わせているが、焦点を探すという作業が成熟していないのだ」といった仮説を提案する。
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