本研究は、近代英語期における未来表現の変遷を、近接未来表現という新たなカテゴリーの創発という観点から捉える点に意義がある。従来、英語未来表現の発達に関する研究は、will/shall の交替とその規範文法との関係や、be going to のような個々の表現の発達など、局所的側面に注目したものが多く、全体的視点から捉える試みはほとんどなされてこなかった。しかし、本研究の考え方により、過去数百年間に生じた未来表現の発達や変遷を、散発的・個別的な現象としてではなく、体系的変化として捉え直すことができる。
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