本研究の目的は、1980年代に隆盛した米国・ハワイの日本語テレビ放送史を記述し、現地でのフィールドワークから、視聴者やコミュニティに対する教育的機能を考察することであった。当初の想定より長期にわたった研究において、まずは新聞・雑誌といった文字資料や放送局関係者へのインタビューから放送史を書き起こすとともに、インターネット通信や携帯型スクリーンの普及によって「日本語テレビ」というメディアが改編されていく過程を描くことになった。その教育的機能についても、家庭のリビングにある据え置き型のテレビから、各個人が携帯しながら移動するスクリーンへの比較メディウム論として検討した。
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