• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

英語教育における体系的・継続的な基本動詞の指導のあり方の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16880
研究機関常磐大学

研究代表者

森本 俊  常磐大学, 人間科学部, 助教 (40755899)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード基本動詞 / 第二言語習得 / メタ言語意識 / エクササイズ
研究実績の概要

研究Ⅰで実施した英語教員を対象とした「基本動詞の学習及び指導に関する実態調査」の結果を全国英語教育学会(JASELE)第43回島根研究大会で報告し,学校現場において基本動詞の体系的・継続的指導が十分に行われておらず,それには時間的な制約や,基本動詞の意味論に関する教師の知識不足を含む種々の要因が存在することを論じた。
また,研究Ⅱの日本人英語学習者による基本動詞の習得研究については,基本動詞get, break, speak, talk, say, tell, listen, hear, look, seeを対象とした4つの研究プロジェクトを遂行し,それぞれについて査読付論文及び学会発表で成果を発表した。特に発話動詞と知覚動詞においては,学習者のメタ言語知識(metalinguistic awareness)に着目するアプローチを取り入れ,従来の第二言語語彙習得研究を新たな視点から捉える可能性を示すことができた。いずれの研究においても,日本人英語学習者にとって基本動詞を適切に「使い分けつつ,使い切る」ことが困難であることが示され,基本動詞の核となる意味(コア)及びそれを図式化したコア・イメージを理解することの重要性が明らかとなった。
研究Ⅲの基本動詞のエクササイズ論については,初年度に『英語教育』(大修館)で年間連載を行った内容を発展させた書籍(『コア・イメージで英語感覚を磨く!基本語指導ガイド』:明治図書出版)を刊行し,主に中学・高等学校の英語科教員に対して基本動詞の指導法について情報発信を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では,研究Ⅱの習得研究で基本動詞break, make, speak, talk, tell, sayを扱う予定であったが,それらに加えてget, listen, hear, look, seeの習得に関する研究を行うことができた(尚,makeについてはgetに変更)。また,研究Ⅰ及び研究Ⅱの内容を踏まえて最終年度に研究Ⅲのエクササイズ論に取り組む予定であったが,書籍刊行の依頼を受け,予定よりも前倒しのペースで作業を進めることができた。

今後の研究の推進方策

最終年度では,研究Ⅲのエクササイズ論を更に深めることを主として研究活動を行う予定である。書籍で十分取り上げることができなかった基本動詞の指導・学習法を含めたエクササイズ集の作成を行う。また,動画を使った反転授業を実践し,ICTを活用した基本動詞の指導・学習の在り方について探究していきたい。最後に,3年間のプロジェクト成果をまとめた報告書を作成する予定である。

次年度使用額が生じた理由

最終年度に取り組む基本動詞のエクササイズ集及びプロジェクト報告書の規模が具体的に定まっておらず,費用不足を避けるために本年度の支出を抑制したため。
次年度はエクササイズ集及びプロジェクトの報告書の作成・印刷及びウェブサイトの開設を含めた情報発信を主として使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 第二言語語彙習得研究における学習者のメタ言語意識の役割-知覚動詞を事例として-2018

    • 著者名/発表者名
      森本 俊
    • 雑誌名

      JACET-KANTO Journal

      巻: 5 ページ: 19, 33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The meaning distributions of a polysemous word in two kinds of EFL learning materials2018

    • 著者名/発表者名
      Yuko Hoshino, Naoki Sakata, Shun Morimoto, Akiko Matsukubo, Mayumi Tsubaki
    • 雑誌名

      文京学院大学外国語学部紀要

      巻: 17 ページ: 35, 56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The acquisition of the constructional possibilities of 'get' by Japanese learners2017

    • 著者名/発表者名
      Morimoto, S.
    • 雑誌名

      Data Science in Collaboration

      巻: 1 ページ: 115, 124

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本人英語学習者は発話動詞の意味及び使用をどのように表象しているのか―メタ言語意識に着目して-2018

    • 著者名/発表者名
      森本 俊
    • 学会等名
      JACETリーディング・英語語彙・英語辞書研究会合同研究会
  • [学会発表] 英語教員を対象とした基本動詞の学習及び指導に関する実態調査2017

    • 著者名/発表者名
      森本 俊
    • 学会等名
      全国英語教育学会(JASELE)第43回島根研究大会
  • [学会発表] 第二言語学習者による「訳語を対応させる方略」の使用に関する研究-基本動詞breakに焦点を当てて-2017

    • 著者名/発表者名
      森本 俊
    • 学会等名
      関東甲信越英語教育学会(KATE)第41回新潟研究大会
  • [学会発表] The acquisition of the constructional possibilities of 'get' by Japanese learners2017

    • 著者名/発表者名
      Morimoto, S.
    • 学会等名
      Industry-Academia Collaboration among Pure, Applied, and Commercialization Researches Based on Linguistic Data in TSUKUBA GLOBAL SCIENCE WEEK
    • 国際学会
  • [図書] 中学英語サポートBOOKS コア・イメージで英語感覚を磨く!基本語指導ガイド2017

    • 著者名/発表者名
      森本 俊
    • 総ページ数
      151
    • 出版者
      明治図書出版
    • ISBN
      978-4-18-222319-8
  • [図書] 多文化共生時代の英語教育2017

    • 著者名/発表者名
      森本 俊・佐藤芳明
    • 総ページ数
      335
    • 出版者
      いいずな書店
    • ISBN
      978-4-86460-309-6

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi