教科書における文法記述の意義は言語学研究への貢献だけではなく、学習者が目標言語を勉強する際に手助けになるはずであるが、現時点では研究者によるトップダウン的な記述が多い。これに対して、本研究は学習者の立場から学習状況を把握し、効果的な教授法を提案したことは、日本語話者専用の教育文法の構築に貢献できると考えられる。また、中国語教育に関する先行研究はほとんど1回きりの調査に基づいたものであり、研究成果を教育現場への貢献まで発展させたものは少ない。そこで、本研究の成果を現場へ還元することで、機能語に関する治療的な教授法の実現とともに、質の高い教材開発への革新的な知見が導き出されることが期待される。
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