研究課題/領域番号 |
16K16887
|
研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
梁 志鋭 名古屋学院大学, 経済学部, 講師 (80648262)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 読み飛ばし / 眼球運動 / 第二言語 / リーディング / 読解力構成技能 / 情意的要因 / 頻度効果 / 多読活動 |
研究実績の概要 |
本年度は、既存の日本人英語学習者および英語母語話者の読解時の眼球運動データに基づくリーディング・コーパスを利用し、読みにおける英単語の読み飛ばしと、読解力構成技能および情意的側面との関連について調査を行い、その成果を公表した。まず、日本人英語学習者の英語の読み飛ばしは、単語の特性および読み手の読解力構成技能と関係するということを全国英語教育学会第43回島根研究大会にて発表報告した。また、単語以上の確率情報による単語の予測度と眼球運動の関連については、国際会議―The 2018 conference of the American Association for Applied Linguistics―にて発表報告した。さらに、読みの際に感じる情意的な「不安」は英語学習者の読み飛ばしに関連するという点を、国際会議―The 27th annual conference of the European Second Language Association―にて発表報告した。また、日本人英語学習者の読みに対する不安と読解力の関連について、論文公表をした。現在は、情意的要因、読解力と眼球運動の関連を焦点に投稿論文を執筆中である。 上記をはじめとする眼球運動データの分析を通して、英単語の語長と出現頻度は日本人英語学習者の読み飛ばしに影響を及ぼすことが明らかとなったことから、これらの要因と英語学習者の読解能力の発達をより精緻に観察する必要性を感じ、当初の実験計画を一部変更し、新たな実験を実施した。具体的には、継続的な英文読解活動(多読活動)と英文読解時の眼球運動の発達との関連を検証するため、日本人英語学習者を対象に縦断的実験を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究目的をより精緻に達成するため、当初の実験計画を一部変更し、新たな実験計画を実施した。具体的には、多読活動と英文読解時の眼球運動の発達との関連を検証するため、日本人英語学習者を対象に縦断的実験を行った。そのため、研究期間を一年間延長することに決した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの実験データに加え、新たに収集した実験データを分析し、1)読解力および読解力構成技能、情意的要因と単語の読み飛ばしとの関連と、2)継続的な英文読解活動が如何に単語の頻度効果を介し、単語の読み飛ばしに影響を及ぼすかについて、学会発表および論文投稿を通して研究成果を公開する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データの集計・入力の作業を遂行する研究補助員を雇う必要がある。また、研究成果を発表・公開する際、論文の投稿費用などに研究費を使用する必要がある。
|