最終年度に入手予定であった最新のシャドーイングのリスニング力向上への影響に関する学術書(濱田陽氏 編著)を始め、主なシャドーイングのリスニング力向上への影響に関する学術書や論文を紐解いての検証の結果、ワーキングメモリのリスニング力への影響に関する記載は見受けられるものの、シャドーイングの速度とその英語リスニング向上に関する記載やもうすでにある程度ボトムアッププロセシングが自動化できている学生へのシャドーイングの影響に関しての記載はほとんど見当たらず、本研究での結果(高速でのビジュアルシャドーイングを意識して練習した学生の方が、シャドーイング時に発音を重視した学生よりもTOEICリスニングスコアの伸びが大きい点、英語上級者もビジュアルシャドーイング(オーバーラッピング)練習の結果、ボトムアッププロセシングのさらなる自動化、またはトップダウンプロセシングスキルの効率化、のいずれかにより、100点以上TOEICリスニングスコアが上がる可能性がある点)を踏まえた上で、シャドーイング速度と英語リスニング力向上の相関性や、英語が得意な学生が高速でのビジュアルシャドーイングを行なった場合のリスニング力向上への影響に関し、さらなる調査が必要であると思われる。これらの研究結果の詳細をまとめた学術論文が、英語教育界の最大手学会所属のオンライン学術誌であるTOEFL Journalで、査読(review)が終わっており現段階ではPending Recommendation(最終審査待ち)の段階である。
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