研究課題/領域番号 |
16K16896
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2018-2019) 長崎大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 助教 (80626317)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ペルシア湾 / インド洋 / 奴隷制 / 奴隷制廃止 |
研究成果の概要 |
本研究では、20世紀前半にペルシア湾各地でイギリス領事館や現地代理人によって作成された奴隷解放調書分析のための方法論の確立、またその方法論に従った奴隷制の実態や奴隷の行動パタンの解明を行った。3000を超える調書をこの間、収集し、それらを民話の構造分析的手法を応用しながら分析する手法を確立することで、性別や出身地だけでなく、奴隷の婚姻歴や転売の実態も含んだ総合的な分析が可能となった。
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自由記述の分野 |
歴史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
奴隷廃止は世界的共通体験であり、こんにちの私たちを取り巻く状況もその延長線上にある。そのなかで、ペルシア湾の事例は極めて稀有であるといえる。すなわち、世界各地が奴隷廃止に動くなか、この地域は例外的に奴隷制に対する厳しい廃止政策がとられてこなかった。この地域の奴隷制の実態を奴隷自身に着目して解明するその方法論的基礎を本研究では築いた。これは奴隷研究のみならず、自ら記録を残さなかった人々の「生」へとアプローチする手法としても応用可能であると考える。
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