研究課題/領域番号 |
16K16902
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 真 東京大学, 史料編纂所, 助教 (50634036)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本史 / 交流史 / 対外関係史 / 遣明船 / 倭寇 / 南蛮貿易 / 朱印船 |
研究実績の概要 |
当初、交付申請書に記載した「研究実施計画」では、今年度には2件の史料調査を予定していた。しかし2件ともに撮影画像が別途入手可能であったために、予定していた調査をとりやめ、新たに次の3件の調査をおこなった。まず2018年12月には、台湾の中央研究院歴史語言研究所において外交文書の原本を調査した。次に2019年2月には、カンボジアに赴き、ポニャ・ルー所在の日本人町推定地をはじめとする、朱印船貿易およびそれに伴って授受された外交文書とかかわる遺跡を踏査した。そして同3月には、スペインのバルセロナに赴き、イエズス会カタルーニャ管区歴史文書館において、日本とルソンの交流に関係する所蔵史料を調査した。 また、本研究課題に関する2件の研究報告をおこなった。まず2018年6月に国際基督教大学において開催されたThe Asian Studies Conference Japan (ASCJ) 2018において、The merchants of Kyoto and foreign trade from the 16th to the early 17th century: The shift from diplomatic ships sent to Ming China to Vermillion Seal shipsと題する研究報告をおこなった。そして同7月には、早稲田大学多元文化学会において、本研究課題の成果を一部含む「フロイス『日本史』の史料的価値―天文~永禄年間の事例を中心に―」と題する研究報告をおこなった。後者については報告内容を文章化し、『多元文化』8にご掲載いただいた。 これらを通じて、本研究開始以来追究してきた、遣明船貿易とそれ以後の貿易のつながりについて、実証的な成果を披瀝した。その他、前述の調査による成果に関連する論文を、学術論文として公表すべく準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定と比べると、史料閲覧環境の変化のために、調査先の一部を変更したものの、おおむね計画通り研究を遂行できている。こうした状況を踏まえ、上記区分に該当すると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、交付申請書に記載した「研究実施計画」に沿って推進する。ただし、同計画では、2019年度には史料調査の計画を盛り込んでいなかったが、新たな史料の情報も入手しているため、その調査が可能かつ適切であると判断された場合には、適宜計画を修正して調査をおこないたい。また、同計画では、国際アジア学者会議(International Convention of Asia Scholars, ICAS)第11 回大会において、隣接諸分野の研究者と共同でパネルを組み、そこで本研究の成果を示すことを構想していたが、見込んでいた研究者との折り合いがつかなかったため、予定を変更するつもりである。その代替として、日本史研究会大会において個別報告をおこなう機会に恵まれたため、同大会において本研究課題の成果を披瀝することを計画している。
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