研究課題
若手研究(B)
本研究は、江戸時代における彦根井伊家と遠江国引佐郡井伊谷(現在の浜松市北区引佐町)周辺との交流・つながりについて検討したものである。江戸時代初頭、井伊氏が遠江国井伊谷から彦根へと移って以降も、井伊谷に古くから存在した井伊谷龍潭寺を中心として、両者はつながりを持ち続けた。本研究では、その実態について、民間レヴェルでの交流も含めて考察した。
日本近世史
本研究の学術的意義としては、中世(戦国期)の由緒が、江戸時代の人びとに、具体的にどのような影響をもたらしたのかという点について、領地を越えた移動に注目したことにある。また、社会的意義としては、従来ほとんど研究されていなかった史料を見つけ出し、研究の素材として活用できるよう整備したことが挙げられる(井伊谷中井家文書など)。