研究課題
本研究は、外様大名・一門大名・譜代大名それぞれの公武婚の有り様について公武双方の史料から検討し、近世公武婚の全体像を示すことを最終的な目標とするものである。令和元年度は、前年度までに引き続き松江藩松平家の事例、および萩藩毛利家の事例を中心に史料収集および分析を行った。松江藩松平家については前年度刊行した『松江市史通史編近世Ⅰ』をもとに、令和元年12月21日に「松江市史講座」において講演会を開催し、本研究の成果を一般に還元することができた。また、分担執筆した『不昧の手紙 ―「大圓公手翰」を読む―』松江市、令和2年3月刊行)においても、本研究の成果が一部反映されている。一方、萩藩毛利家については、引き続き分析を深めて論文執筆を目指した。残念ながら年度中には間に合わなかったが、令和2年6月14日に開催される「山口県地方史研究会大会」において成果を発表する予定であった。しかし、同大会は今般のコロナウイルスをめぐる状況により中止となってしまった(要旨のみ『山口県地方史研究』123号に掲載予定)。ひきつづき、他の媒体による成果公表を目指している。なお、松江藩や萩藩の事例、および近世の朝廷との関係については、研究代表者が担当する山口大学の講義などにおいてもとりあげ、研究と教育の連関をはかるとともに、論点整理の機会ともした。さらに、平成30年度に引き続き、譜代大名の分析も継続して行ったが、令和元年度中に成果を公表ことはできなかった。なお、公武婚という主題とはやや離れるが、「桂昌院と寺院」(『論集大奥人物研究』東京堂出版、2019年)も将軍の側妾であった桂昌院を扱い、本研究の成果の一部を組みこんだものである。
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山口県地方史研究
巻: 123 ページ: ―