本研究課題は、江戸時代の公家と武家との婚姻に注目し、その実態を明らかにすることを目的とするものである。武家・公家両方の史料をもとに、外様大名・一門大名・譜代大名それぞれについて公家との婚姻がどのような意味をもったのか検討した。 本研究の結果、特に外様大名である萩藩毛利家、一門大名である松江藩松平家について、大きな成果が得られた。江戸時代においては、大名が重要視したのはあくまで将軍との関係であり、公武婚には、将軍とつながりを有した公家と婚姻することで将軍との関係を深める目的があった可能性が高いことを明らかにできた。
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