| 研究課題/領域番号 |
16K16908
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| 研究機関 | 京都府立大学 |
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研究代表者 |
三好 英樹 京都府立大学, 文学部, 研究員 (60757574)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 日本中世史 / 根来寺 / 学僧 / 聖教 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、中世における紀伊国根来寺の「学山」（学問寺）としての形成と展開の過程を明らかにすることにある。
中世後期の根来寺は「地域的な一揆寺院」とも評価され、地域の中核となる巨大な真言寺院であった。その発展要因として従来、周辺地域の人々が寺院実務を担う行人として次々と入寺し、武力行使や流通・経済活動を活発に行い、寺内に富を蓄積したことが重視されてきた。そこでは学僧の寺内外における役割に、積極的な評価はなされていない。しかし16 世紀半ば、根来寺は「大学」として認識されており、学僧たちが修学のために集っていた。本研究では中世根来寺における学僧、なかでも全国各地から修学や修行のために根来寺へと訪れた客僧に注目し、考察を進めている。
本年度も、中世根来寺に関わる史料のうち、特に修学や修行といった僧侶の宗教活動にかかわる史料を中心にして、数多くの事例の把握と、分析に努めた。その際、全国各地に所在する寺院の所蔵史料目録や寺院史、自治体史、史料集などといった刊本や、東京大学史料編纂所などが所蔵する写真帳のみならず、各地の寺院や資料館、博物館などに所蔵される原史料の調査や写真撮影を実施し、史料の収集を行った。この中には、今まで未調査であった寺院史料も含まれている。
現在、これらの調査によって得られた史料の整理・分析をとおして考察を進めており、中世根来寺における学僧の個別具体的な修学実態に加え、僧侶組織や、学山としての展開過程が明らかになりつつある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施計画にもとづき、根来寺関連史料の調査・収集・整理・分析のうえ考察を深めた。当初の事業計画以上に事例収集や史料調査が進んだことに加え、その成果を踏まえた分析も大きく進展した。研究実績の概要に記したように本年度の調査・研究によって、根来寺における学僧の修学状況、その時代的変遷、僧侶組織、そして学山としての展開過程、その画期などが明らかになりつつある。本研究は当初の計画以上に進展しているといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究目的を達成するため、研究実施計画にもとづいて、次年度も根来寺関係史料の調査・収集を積極的に実施する。その上で、「学山」根来寺の形成と展開の過程について更に考察を深め、その成果は学会報告や論文として公表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）史料調査が進展し、当初の計画以上に成果を得る見通しができたため、その調査に重点を置き、研究を実施した。その際、本年度に並行して実施・完了予定であった他の原史料調査や分析の計画をずらし、また、そこで用いる予定であった機材の購入も遅らせたため、未使用額が生じた。
（使用計画）
調査・分析は順調に進んでいる。必要機材は来年度に購入し、調査研究を推進する。
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