豊臣秀吉が行なった重要な土地政策として知られる検地について、検地の実施手法に関連する史料を収集して比較検討を行なった。 これにより、江戸時代の検地について、同じ名称の手法でもまったく異なる方法だったこと、同時期の幕府の手法と譜代藩の手法が異なっていたことなどから、江戸幕府の統制ではなく藩・地方独自に検地手法が変化していたことを明らかにした。 また、戦国時代には上位権力の影響による土地把握の変化と、戦乱を契機とする土地把握の変化の両面があったことを明らかにした。豊臣政権の場合は政権の影響による変化がかなり大きいことから、検地における豊臣政権の影響力の大きさをあらためて明らかにした。
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