研究課題
若手研究(B)
後漢時代の地方統治体制について、『後漢書』と五一広場東漢簡牘にもとづいて検討を行った。公開済の五一広場東漢簡牘に対して、基礎的な整理を行ない、一部の行政文書に対して日本語訳を作成した。司法に関わる業務に関連して、郡太守府は県廷に対して指示・命令や譴責を下しており、当該史料は後漢時代における郡と県の関わりの強さを反映する。その知見を『後漢書』の記述と比較した。地方統治において司法が重視され、儒家思想に基づく文言が用いられる背景には、後漢中期における中央の政治情勢の影響が存在すると判断される。
中国古代史