今後の研究の推進方策 |
本研究計画の遂行中、特にイタリアおよび首都ローマでの殉教者崇敬の形成についての重要な研究がイギリス・フランスの研究者から発表された。これらの研究成果は史料集成の形をとってオクスフォード大学出版局から刊行されており(E.Rebillard, Greek and Latin Narratives about the Ancient Martyrs, 2017, M. Lapidge, The Roman Martyrs,2018)、今年度5月にも新たな史料集成が刊行される(D. Eastman, The Many Deaths of Peter and Paul, Oxford UP, 2019)。次年度はこれらの新史料集成を入手・参照する必要が新たに生じたが、すでに今年度までに刊行された集成は入手することができており、また史料集成を刊行した研究者には、これまでの研究実績の成果として刊行した論文を送り、研究への助言を求めている。それゆえ当初の研究計画と変わらず、特に西地中海世界のキリスト教化における古代ローマ期の殉教者史料の受容と、社会の集団的記憶形成の関係を究明していく。
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