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2016 年度 実施状況報告書

19世紀イギリスにおける海軍と科学研究ー空間・時間把握と戦略形成

研究課題

研究課題/領域番号 16K16931
研究機関新潟大学

研究代表者

石橋 悠人  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90724196)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードイギリス海軍 / グリニッジ天文台 / 海事史
研究実績の概要

本研究の目的は、19世紀イギリス海軍における科学研究の展開を解明することである。近年、海事史研究の隆盛を背景に、イギリス近代の帝国形成と海洋支配のために援用された科学・技術の関係に大きな注目が寄せられている。本研究は、海軍が確立した科学・技術の研究体制を検討し、正確な空間・時間把握の実践という観点から、その研究内容と成果の特徴を考察する。

平成28年度には、当初の計画通り、関連分野の動向調査を徹底し、先行研究を総括するような論点の整理を行った。イギリス海軍の全般的な活動は少なからぬ先行研究の中で示されてきたが、科学・技術研究推進に関する包括的な分析成果は乏しい。そのため、研究動向の詳細な検討を通して、本研究の理論的な枠組みを構築し、より実践的な問題設定を行うための準備に取り組んだ。政治経済学・経済史学会・武器移転史フォーラム(2016年4月23日)で、この動向分析の成果の一端を発表し、問題設定の具体化に向けた有益な議論を交わすことができた。

研究動向の整理に基づき、19世紀の海軍における科学研究の制度的基盤を概括的に捉えた成果を『化学史研究』(43巻4号)掲載の論文で発表した。とくに科学技術研究への予算配分と研究部門の構造、およびそれらが専門職業化に与えた影響を検討している。また、同論文では空間・時間計測の重要拠点であるグリニッジ天文台を事例に、天文学者たちと海軍との関係が、科学研究の方向性をどの程度規定していたかを解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、研究動向の整理と問題設定の具体化にむけた研究を実施することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

研究動向の整理をひとまず終えたことで、具体的な一次史料の分析を行うことが次なる課題である。主たる一次史料については徐々に収集・整理を進めている段階だが、今後は英国での資料調査などを通してこの作業を本格化させたい。

次年度使用額の使用計画

次年度において消耗品費として使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 近代イギリスにおける国立天文台と科学の制度化2016

    • 著者名/発表者名
      石橋悠人
    • 雑誌名

      『化学史研究』

      巻: 43 ページ: 143 155

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Legitimating Greenwich Observatory Time in Britain, c. 1850-18802017

    • 著者名/発表者名
      石橋悠人
    • 学会等名
      International Workshop, ‘Institutionalization of Science and Public Sphere in Modern Britain’
    • 発表場所
      愛知県立大学サテライトキャンパス(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2017-03-25
    • 国際学会
  • [学会発表] 時計時間の移植と管理 イギリス帝国の植民地天文台と時報技術2016

    • 著者名/発表者名
      石橋悠人
    • 学会等名
      イギリス史研究会
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2016-06-25
  • [学会発表] 19世紀イギリスにおける海軍と科学研究2016

    • 著者名/発表者名
      石橋悠人
    • 学会等名
      政治経済学・経済史学会・兵器産業武器移転史フォーラム
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2016-04-23

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2018-12-17  

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