研究課題
若手研究(B)
本研究では地域的図像の継承・創出・流通の分析を通して、オセアニア地域における〈集合性〉の構築について考察をおこなった。その結果、とりわけ先住民運動と観光戦略からの影響が指摘されたとともに、東南アジア島嶼域とオセアニア地域の連続性の構築、およびオセアニア世界のポリネシア化というふたつの現象が考察された。
人類学
本研究の意義は、欧米に出自をもっていた「芸術」が、その固定的形式を超え、現代オセアニアの文脈でさまざまな図像をうみだす過程を解明することをつうじて、<集合>という開かれた地域主義の在り方を提起した点にある。また人類学、オセアニア地域研究、芸術論を基盤とする本研究は、図像のもたらす効果が社会を理解するための要として指摘されるオセアニア世界を理解するために必要な、総合的枠組みを提示する。