本研究によって、既存の校訂に見られた問題点が適示され、また部分的にはその修正がなされた。また内容的な分析を行うことで、都市における裁判制度の変容やローマ・学識法の浸透の経過、また大学における(法学)教育の影響などについて具体的な例が提示された。近隣の一小都市に関する一次史料の校訂と検討により「ザクセン=マクデブルク法」圏における法照会と法教示の実際の運用について具体的な像を描くことができた。 本研究の成果は、法制史(とりわけ都市法史)のみならず、隣接諸分野(歴史学、言語学)などの研究にも利用可能な史料基盤の拡充に資するものである。
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