本研究は企業組織再編手続における労働者保護規範について、ドイツ法との比較法的見地もふまえ、日本法に対して解釈論・立法論両面から課題の解決に向けた試論を提示することを目的としている。 研究目的を達成するために、ドイツおよび日本における企業組織再編が実施される際の労働者の取り扱いについて文献・判例等の検討を行った。これにより、①企業組織再編手続における労働者保護規範の課題の析出作業を行った。②日本における企業組織再編手続の労働者保護規範のあり方を分析し、解釈論・立法論の両面からの課題の解決に向けた試論を検討した。③企業組織再編手続の労働者保護規範への特別の配慮の必要性を基礎付けることを試みた。
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