障害者の雇用施策には、①雇用義務制度と②障害差別の禁止の二つの方向がある。日本では、1960年以降①が採用されてきた。一方、アメリカでは1990年に制定された法律(ADA)によって②が導入された。②の特徴は、単に差別を禁止するだけでなく、障害者に合理的配慮を提供することを事業主に義務づける点にある。日本でも2013年に障害者雇用促進法が改正され、差別禁止と合理的配慮の規定が新たに規定された。本研究では、日本で導入されたばかりの合理的配慮について、理論面と実態面の双方から検討するとともに、合理的配慮概念が多様な働き方の実現にも資することを明らかにした。
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