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2018 年度 実績報告書

裁判員裁判における殺人罪の量刑判断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K17014
研究機関長崎総合科学大学

研究代表者

柴田 守  長崎総合科学大学, 共通教育部門, 准教授 (90551987)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード量刑 / 裁判員 / 殺人 / 機械学習 / 数量化 / 刑事法
研究実績の概要

本研究は、LEX/DBインターネットに掲載された裁判員裁判における殺人罪(未遂罪等を含む。)を分析の対象にして、前研究で取り組んだ新たな量刑の数量化モデル(統計的機械学習を用いた量刑予測モデル)を用いて、その量刑判断に関する各基準、(1)死刑と無期刑の判断基準[分析①]、(2)無期刑と有期刑の判断基準[分析②]、(3)有期刑を3 年超とするか否か(執行猶予の可能性を視野に入れるか否か)の判断基準[分析③]、(4)刑期の判断基準[分析④]、(5)実刑・執行猶予の判断基準[分析⑤]について明らかにすることを目的に行った。
研究期間中に、数量化理論第Ⅰ類と変数増減法を用いて、殺人罪の刑期判断予測モデルを立てた。これは、影響力のある量刑因子を特定するとともに、標準化残差の範囲から外れた事例分析を行って、なぜ範囲から外れたのか(実績値と予測値の大きな乖離が生じたのか)を検証し、欠落していた量刑因子やカテゴリーを抽出するために行ったものである。これによって、学習アルゴリズムの構築を図り、現在、その実験を行うに至っている。なお、3年間の研究期間では、分析④を中心に行ったが、それは、これが学習アルゴリズムの構築に向けた中心に位置づけられるものであったからである。他の分析結果についても、今後、順次公表していく予定である。、
また、本研究から派生的に、判例批評も行った。この批評を通じて、裁判員裁判の量刑判断モデルでは、対象事件が属する社会的類型(刑事学的類型)を「軽微」、「中程度」、「重大」などに分類し、それらの量刑傾向の大枠を過去の宣告刑の分布から設定することになるので、大枠が狭まる上に、大枠から軽い方向で踏み出す場合にもしきい値が厳格に反応し、一般情状に関する因子の重みがあまり影響しないという問題性があることを指摘した。本論文により、次の研究課題の気づきにつながった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 裁判員裁判における殺人罪の刑期判断基準2019

    • 著者名/発表者名
      柴田 守
    • 雑誌名

      専修大学法学研究所紀要

      巻: 44 ページ: 23-60

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 変数増減法を用いた殺人罪の刑期判断予測モデル―学習アルゴリズムの構築に向けた予備的検討―2019

    • 著者名/発表者名
      柴田 守
    • 雑誌名

      地域論叢

      巻: 34 ページ: 15-54

  • [雑誌論文] 最新判例批評(25) 路上での連続強盗致傷等事件の被告人を執行猶予とした原判決につき、行為責任の原則に基づく量刑判断の在り方に反して、これまでの量刑傾向の大枠から外れた量刑判断を行ったものであるとして、これを破棄し実刑に処した事例[東京高裁平成28.6.30判決] (判例評論(第714号))2018

    • 著者名/発表者名
      柴田 守
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: 2371 ページ: 171-177

  • [学会発表] 裁判員裁判における殺人罪の量刑基準-有期懲役に関する判断の量刑予測モデル-2018

    • 著者名/発表者名
      柴田 守
    • 学会等名
      日本犯罪社会学会

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公開日: 2019-12-27  

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