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2016 年度 実施状況報告書

確認の訴えと将来の給付の訴えによる将来の権利の取扱い

研究課題

研究課題/領域番号 16K17031
研究機関香川大学

研究代表者

春日川 路子  香川大学, 法学部, 准教授 (50735537)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード確認の訴え / 将来の給付の訴え
研究実績の概要

平成28年度においては、ドイツ法における将来の給付の訴えと確認の訴えとの関係を解明することに注力した。将来の給付の訴えと確認の訴えという二つの訴えは、どのような場合において同時に問題となるのか、二つの訴えの関係につきどのような理解がありうるのか、さらに実際の裁判例においてはどのような取扱いがなされているのかを検討した。検討の手法としては、ドイツ民事訴訟法のコンメンタール、基本書、実際の裁判例およびその評釈を精読し、その内容を分析した。その結果、ドイツ民事訴訟においては、これら二つの訴えの関係が実際に問題となる事案がいくつかあること、将来の給付の訴えと確認の訴えの双方が提起できるとされる場合には、特に確認の訴えにつき、訴えの利益があるといえるのかが問題となること、この場合において、確認の利益の存否につき、大きく二つの考え方があることが判明した。平成28年度の研究の成果の一部は、三谷古稀記念論文集において公表される予定である。
また平成28年度に予定されていた研究を進めるうちに、将来の給付の訴えと確認の訴えの関係においては、訴えの利益の観点だけではなく、民事訴訟における他の事項も問題となる可能性が出てきた。具体的には、二重起訴の禁止の観点からも検討する必要があると認識を新たにした。平成29年度は、これまで予定していた研究に二重起訴の禁止の観点からの検討を付け加え、現時点までの研究によって得られた成果と新たな検討課題を踏まえて研究を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度の研究においては、本研究に必要な範囲でドイツ民事訴訟法における確認の訴えの仕組み・制度、実際の手続につき明らかにできた。さらに、ドイツにおける将来の給付の訴えと確認の訴えが同時に問題となる場合の取扱いにつき、その一端を明らかにできた。よって、当初の計画に沿って、おおむね順調に研究を進めることができているといえる。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、当初の予定に沿って将来の給付の訴えと確認の訴えの包括的研究に着手する。最終的には、日本法において将来の給付の訴えと確認の訴えの双方が問題となる場合になにが問題となるのか、二つの訴えはそれぞれどのように取り扱うべきかを明らかにする。
また平成28年度に実施した研究の成果から、将来の給付の訴えと確認の訴えとの関係を明らかにするには、それぞれの訴えの利益の観点に加えて、二重起訴の禁止の観点からも検討を要することが判明した。平成29年度は、この観点からも二つの訴えの関係につき研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

注文していた書籍「Verfahrens- und Prozessrecht in Amts-, Staatshaftungs- und Entschaedigungsverfahren」が、本年度中に納品される可能性が低いとの連絡を受け、当該書籍をキャンセルした。これによって、残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

速やかに「Verfahrens- und Prozessrecht in Amts-, Staatshaftungs- und Entschaedigungsverfahren」を購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 市民生活と現代法理論 三谷古稀記念論文集2017

    • 著者名/発表者名
      小田敬美ほか編
    • 総ページ数
      502
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2018-01-16  

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