本研究は、婚外子に対する共同親権を中心に、実効性のある婚外子養育法制のあり方を実証的に明らかにすることを目的とする。具体的には、1997年の法改正によって婚外子に対する共同配慮(親権)制度を導入し、2013年に制度の一部改正を経て現在に至るドイツ法を比較対象として、婚外子共同配慮制度の運用状況を公表裁判例及び実態調査報告書の分析等を通じて明らかにする。各種分析の結果として、ドイツ法における裁判所による共同配慮の移譲制度は、実務において実効性のある制度として運用されている一方で、裁判官の多数によって指摘されている批判を踏まえると、なお課題を残していることが明らかになる。
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