本研究では、スリランカの高速道路建設に伴う住民移転を対象とし、土地を公共目的のために負担する経験を持った住民が、その後移転に対する認識をどのように変化させたのか、また、これからそのような負担を経験する住民に、既に経験した住民の生活再建の様子を伝えることにはどのような効果があるのか、について分析を行った。研究の結果、移転直後に積極的な認識を持っていた住民も5年後には消極的な認識を持つ場合もあるなど、用地取得に対する認識に差が発生しており、こうした認識の差にはマインドセットが影響を与えていること、過去の移転の情報を伝えることは、こうしたマインドセットに変化をもたらす可能性があることがわかった。
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