研究課題
若手研究(B)
本研究では、明治後期から大正期にかけての社会インフラをめぐる新聞社間の論争を通じて、個別の政治勢力の意見が都市政治において公共性をもつにいたるプロセスを考察した。『大阪朝日新聞』『大阪毎日新聞』『大阪新報』などの社説を比較検討し、また各紙における経営体制の変動を考察することにより、大阪市政の変動との連関を確認した。さらに、新潟市との比較を通じて、新興政治勢力にとってのメディア戦略の有効性についても考察した。
日本政治外交史
近代日本における社会資本整備については、鉄道・河川・道路など個別の研究が蓄積されているものの、それらを総括する試みはまだなされていない。本研究では、新聞というメディアに注目することによって、各社会資本の整備過程において共通する要素――負担を正当化する論理を確認した。同時に、それは都市における政治構造の動揺をもたらすものであり、地方新聞が地方政界において果たした役割も明らかにした。