本研究は、現代ロシアにおける選挙操作とそのリスクについての検討を試みたものである。具体的には、選挙後に抗議運動が盛り上がりを見せた2011-12年選挙サイクル(2011年下院選挙・2012年大統領選挙)について、選挙をめぐる政権と反体制派の攻防、そして与党「統一ロシア」と選挙の正統性との関連に関する考察を行ったのち、同選挙サイクルと2016-18年選挙サイクル(2016年下院選挙・2018年大統領選挙)、また、地方レヴェルの選挙の例として市長選挙の比較検討を行った。本研究からは、ロシアにおける選挙操作の実態と、これが政治争点化するメカニズムが明らかになった。
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