研究課題/領域番号 |
16K17061
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
森山 花鈴 南山大学, 総合政策学部, 講師 (40635702)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自殺対策 / 政策過程論 / 行政学 / 公共政策 / 自殺予防 |
研究実績の概要 |
本研究は、政府の問題として取り組まれてきた自殺対策を政策学的に分析するものである。そのため、平成28年度(初年度)は、基礎研究として、主にインタビュー実施のためのネットワークの確保およびその前提となる基礎資料の収集に努めた。本研究は、特に自殺対策関係者に対してインタビューを実施することが重要であるため、まずは多数の自殺予防・自死遺族支援に関する関連学会に出席し、ネットワークを広げるとともに、学会の場において関係者から広くヒアリングを実施した。 研究実績として挙げられるのは、まず、研究成果を国内学会・国際学会において発表したことである。国内学会では、5月に東京で開催された第40回日本自殺予防学会での発表、10月に大阪で開催された日本政治学会2016年度総会・研究大会での発表を行った。国際学会では、5月に東京で開催された第 7回 国際自殺予防学会 アジア・太平洋地域大会において英語による研究報告、10月に札幌で開催された第10回応用倫理国際会議において英語による研究報告を行った。発表の際には、様々な研究者からのコメントを得ることができた。 また、研究成果については、『アカデミア社会科学編』第11号および第12号(南山大学)や『社会と倫理』(南山大学社会倫理研究所)への投稿も行った。 調査としては、9月に秋田県秋田市を訪問し、秋田県庁、民間団体等へのヒアリングを実施した。ここでは、自殺対策先進地域と言われる秋田県における自殺対策の推進過程を知ることができた。また、11月に宮城県石巻市を訪問し、震災と自殺に関する点について、石巻市職員からのヒアリングを実施した。ここでは、東日本大震災発災後の状況について把握することができた。これらは今後の研究におけるインタビュー手法を考えるためにも重要な調査となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、当初予定していた基礎資料の整備、論文の執筆や学会報告を達成したため、おおむね順調に進展していると思われる。また、自殺対策に関する研究会を10月以降毎月実施しており、各分野の専門家との意見交換の機会を設けていくことで、最新の知見を得ることができている。 ただし、国内での自殺対策関係者に対するヒアリングはできたものの、海外調査を実施することができなかったため、平成29年度以降に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査を含め自殺対策関係者に関するインタビューを引き続き実施するとともに、地方自治体に対する自殺対策関連事業実施実例の分析と調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を次年度以降に持ち越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
海外調査実施費用等にあてる予定である。
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