研究課題
若手研究(B)
一般に、トゥキュディデス‐マキァヴェッリ‐ホッブズの連なりとして描かれる現実主義の思想的伝統について、そのような認識がいつどのような意味を帯びて成立したのかを、主として戦後の国際関係論および政治思想史の文献を渉猟するなかで分析した。結果、概ね1970年代から1980年頃がその成立時期であること、その成立が個別具体的な歴史から普遍的な理論へと向かう志向の強まりと軌を一にしていたことを明らかにした。
国際関係論
国際関係論および政治思想史における基礎研究として、本研究の意義は主として学術的な意義に求められる。具体的には、戦後国際関係論において歴史的思考を阻む傾向が現実主義の伝統という装置をもって埋め込まれていることを明らかにした。加えて、このような傾向が、政治理論一般を含み20世紀アメリカ思想史上に位置づけられうる傾向である点について示唆を得た。