本研究は、グローバル化における日本の国境の研究から得た知見を基に、近代における領土や国境の多層的な性格を基礎とする普遍的に応用できる理論を構築することを目指した。この研究助成により、日本における国境管理や政策について、多くの国際学会で報告する機会を与えられ、国境や境界研究の国際的ネットワークからも多くの意見をもらうことができた。また、世界各地における国境管理や境界をめぐる現状と将来について、日本の現実と経験が、グローバルに展開されている対話の中で、その重要性を増すようになったことも一つの成果である。引き続き日本における国境概念やその管理について、歴史的かつ現代的意義を追及することを試みる。
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