研究実績の概要 |
グローバルヘルスガバナンス(GHG)の中で先進国が独自のイニシアティブを打ち立て、GHGの分散化が懸念される中で、先進国、具体的にはG7諸国の保健外交の実態を明らかにし、先進国の望ましいGHGへの関与のあり方を導き出すことが本研究の最終目的である。本年度はアメリカの自国第一次主義が目立つ中で、保健外交の今後について検討し、その成果を詫摩佳代「国際保健協力という可能性 ―グローバル・ガバナンスと地政学」、北岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学の時代』(東洋経済新報社、2019年7月、刊行予定、第5章、所収)にまとめた。また保健外交における日本の位置付けについても、第4代WHO事務局長を務めた中嶋宏を通じて検討する機会を得、その成果はKayo Takuma, ‘Nakajima, Hiroshi’ in IO BIO (February 2019)を執筆、 Biographical Dictionary of Secretaries-General of International Organizations (Edited by Bob Reinalda, Kent J. Kille and Jaci Eisenberg, www.ru.nl/fm/iobio)に掲載された。このほか、この研究初年度より特に注力してきたフランスの保健外交について「先進国の保健外交:フランスの感染症対策支援からの一考察」と題する論文にまとめる作業を進め、これは2019年度刊行予定の共著書に所収予定である。
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