研究課題/領域番号 |
16K17073
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 准教授 (50580776)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 冷戦史 / ドイツ外交 / 東方政策 / 国際関係論 / 外交史 / 国際政治 / ヨーロッパ政治 |
研究実績の概要 |
初年度は、交付申請書の計画に沿って、まず現地調査及び関連資料や文献の収集に取り組んだ。2016年8月~9月のドイツでの現地調査では、第一次史料や文献について文書館等での調査を行った。当該研究テーマに関しては、既に外務省の委託により公刊史料集が出ているため、まずは関連文献等も利用しながらその時系列的整理に取り組んだ。さらには、現地の文書館等に所蔵される未刊行史料を調査することで、公刊史料や関連文献による調査を補完する重要な知見を得ることができた。現地調査のために訪問した機関は、ヘルムート・シュミットをはじめとするドイツ社会民主党(SPD)の代表的な政治家の個人文書や党関係の未刊行史料を所蔵するボンのフリードリッヒ・エーベルト財団の文書館、政府関係者の個人文書や首相府等の省庁の未刊行文書が所蔵されるコブレンツの連邦文書館、未刊行の外交文書が所蔵されるベルリンの外務省文書館、そして申請書がかつて留学していたボン大学付属の図書館等である。 また現地での調査と並行して、日本において、研究目的で挙げた「東方政策」「西方政策」「国内政治」の三つの視座に関連する文献の収集を行った。加えて、同年10月に開催された日本国際政治学会研究大会にて、三つの視座のうちの特に「西方政策」に関連して、1960年代から70年代の在欧米軍削減問題に対する西ドイツ外交をテーマにペーパーを執筆し、同テーマに関係するセッションに参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の「研究実績の概要」の項で述べたように、研究計画に沿う形で、当該研究テーマに関する現地調査や文献の収集等を行い、また関連するテーマについてのペーパーを執筆した。また日本において、研究計画で挙げた三つの視座に関する関連文献・資料の収集を行った。当該研究テーマについては一次史料に基づく研究成果が続々と発表されており、それらの収集・分析に取り掛かっている。さらには、日本国内での学会や研究会等において、当該研究テーマに関して外交史や国際関係論などの専門家らと意見交換を行ったことは、次年度以降の研究に向けても有用であった。
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今後の研究の推進方策 |
まず、前年度に取り掛かったドイツでの現地調査及び関連資料や文献収集に引き続き取り組むことと並行して、日本において関連文献・資料も継続して収集する。次に、これらの作業を踏まえ、時系列的整理及び理論的考察を行う。具体的には研究計画で挙げた三つの視座に関して、それぞれの視座から分析された先行研究の収集・分析を行う。こうした作業を踏まえ、必要であれば前年度に訪問した文書館以外での調査を通じて補足的・発展的な史料収集も行う。そして、例えば学会等での報告や学術雑誌や共著本等での研究成果の発信に取り掛かる予定である。
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