本研究では、1974年から1982年までドイツ連邦共和国(西ドイツ)の首相を務めたヘルムート・シュミットが推進した東方政策(Ostpolitik)に関して、「東方政策」、「西方政策(Westpolitik)」、「国内政治」の三つの視座から、第一次史料等を用いて多角的に分析した。3年間の研究期間に共著や雑誌論文学会報告などの研究成果を得た。そこでは、シュミット政権期の東方政策が、前政権のブラントの東方政策からの継続の要素を含みつつ、1970年代に国際政治経済体制が変動していき、西側の結束を重視する方向へ政策をシフトしていく中で、東側政府との対話を維持しようとした点を明らかにした。
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