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2021 年度 実施状況報告書

近年の通常兵器規制の特質と背景:安全保障研究と歴史研究の連携を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 16K17075
研究機関明治大学

研究代表者

榎本 珠良  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 特任教授 (50770947)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワード安全保障研究と歴史研究の連携 / 軍備管理・軍縮研究 / 批判的安全保障研究 / 武器移転規制の歴史と現在 / 兵器禁止規範の系譜学 / 武器の入手可能性と暴力との関係性
研究実績の概要

国内外における新型コロナ・ウイルスの感染拡大を受けて、2021年度も追加のインタビュー調査や史料調査を行うことや、対面での大規模イベントを開催する等の活動の見通しは立たなかった。
そこで、2021年度も、他の研究費を併用しつつ、今後国際的に連携して推進すべきプロジェクトのテーマ・趣旨について、国内外の研究機関・大学・国際機関・NGO等と議論を重ねることに集中した。その過程で、様々なオンライン・イベントを開催した。例としては、“Race and Gender in Humanitarian Disarmament” with Binalakshmi Nepram (7月23日)、“BLM and the International Aid Community: Reflection by a Former Aid Worker from Japan”(12月1日)などがある。そして、こうした議論に基づきつつ、「軍備管理軍縮における『ジェンダー主流化』の動向と課題」(2021年日本軍縮学会年次大会部会1、5月15日)や“The Self, Sovereignty and Arms Transfer Control: From the Nineteenth Century to the Present”(Disarmament Theory Roundtable 2: Articulating Disarmament Pathways in History and Practice, International Studies Association (ISA) 2022 Annual Convention, Online, 29 March 2022)といった学会報告や、「人道支援をめぐる日本のアフリカ研究:傾向と課題」(『アフリカ研究』100, pp.47-51)といった論考執筆を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

下記のように当初の計画より早いペースで進展してきた。
1.2016-2019年度に、武器貿易条約(ATT)締約国会議(CSP)等に参加して動向を分析して論考を発表し、国内外のイベントで報告した。2018年度には日本でCSPが開催されため、2019年度に予定していた国際セミナーを2018年度のCSP直前に変更し、当初の想定よりも大規模化したうえで、同時にCSPのサイドイベント等も開催した。シンポジウム登壇者らによる英文論考4本をとりまとめ、2019年度のCSPに向けて『国際武器移転史』に掲載のうえ、CSPにて配布した。一連の研究に基づき、2019年度に単著『武器貿易条約:人間・国家主権・武器移転規制』(晃洋書房、単著)を刊行した。
2.ATT関連で論争されてきたテーマ(非国家主体への武器移転規制)について、英語での国際シンポジウム・セミナー報告や論文発表を行い、日本語での学会報告や論文発表も行った。
3.2016年度に海外の研究協力者とともに『国際政治史における軍縮と軍備管理』(日本経済評論社、編著)を刊行した。
4.2017年度に武器の入手可能性と暴力との関係性について国際セミナーを開催し、成果を2018年度の『国際武器移転史』に発表した。また、同テーマで単独にて学会報告のうえ、日本軍縮学会設立10周年記念論文集『軍縮・不拡散の諸相』(信山社)にて発表した。
5.特定の兵器の使用等を禁止する発想や取り組みに関して、19世紀から現代までの事例を扱う国際共同研究「パーリア・ウェポンズ」を2017年度に立ち上げた。国内外の研究者の参加を得て、国内・国際セミナーや学会パネルを開催したうえで、2019年度に編著『禁忌の兵器:パーリア・ウェポンの系譜学』(日本経済評論社、編著)を刊行した。

今後の研究の推進方策

国内外における新型コロナ・ウイルスの感染拡大を受けて、2022年度も対面での大規模イベント開催などの見通しは立てにくい。したがって、2022年度も、引き続きオンライン・イベントなどを通じて国内外の研究機関・大学・国際機関・NGO等と議論を重ねていきたい。また、これまでの議論に基づいた共編著を2022年度に刊行すべく執筆者との調整を進めている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ・ウイルスの感染拡大に伴い出張等による研究費の使用が困難となっている他の科研費プロジェクトとの共同でイベントを開催したため、この科研費によるイベント経費支出(講師謝礼など)が生じなかった。
また、2021年度までの議論に基づく共編著を2021年度に刊行しようと試みていたが、新型コロナ・ウイルスの感染拡大に関連する様々な影響を受けて原稿提出や修正が遅延する執筆者が複数みられたため、刊行が2022年度に遅延した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] University of Cape Town(南アフリカ)

    • 国名
      南アフリカ
    • 外国機関名
      University of Cape Town
  • [国際共同研究] Manipur Women Gun Survivors Network(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Manipur Women Gun Survivors Network
  • [国際共同研究] Peace Research Institute Oslo(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      Peace Research Institute Oslo
  • [雑誌論文] 人道支援をめぐる日本のアフリカ研究:傾向と課題2022

    • 著者名/発表者名
      榎本珠良
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 100 ページ: 47-51

    • 査読あり
  • [学会発表] The Self, Sovereignty and Arms Transfer Control: From the Nineteenth Century to the Present2022

    • 著者名/発表者名
      Tamara Enomoto
    • 学会等名
      International Studies Association (ISA)
    • 国際学会
  • [学会発表] 軍備管理軍縮における「ジェンダー主流化」の動向と課題2021

    • 著者名/発表者名
      榎本珠良
    • 学会等名
      日本軍縮学会
    • 招待講演
  • [図書] ピース・アルマナック2021:核兵器と戦争のない地球へ2021

    • 著者名/発表者名
      ピース・アルマナック刊行委員会
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      緑風出版

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公開日: 2022-12-28  

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