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2018 年度 実施状況報告書

情報環境の制度設計:理論と応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K17078
研究機関名古屋大学

研究代表者

田村 彌  名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (60711950)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード情報制度設計 / 実験デザイン / 政策効果 / バイアス
研究実績の概要

2018年度は動学的な環境における情報制度設計について、情報収集面の問題に焦点を当てた研究に取り組んだ。具体的には、政府(情報提供者)が小規模なプロジェクトの実施(実証実験)を行うと同時に政策効果を推定するプロセスを想定し、望ましい政策デザインの検討を行った。
近年、医療や教育、開発などの分野ではランダム化比較試験(RCT)によるプログラム評価が一般的になってきているが、現実の多くの政策やプロジェクトでは時間や予算、技術的な制約からそういった厳密な評価を行うことが難しい。そういった状況においては、プロジェクト実施の前後の状況を比較するという単純な議論に終始することも少なくないが、セレクションバイアスが生じる可能性があるため科学的な議論とはいえないという問題点がある。
本研究は、そのような状況を前提として、実証実験を繰り返し行う過程で情報収集を行いつつ金銭的インセンティブや情報提供による介入を同時に行うことで問題を解消あるいは緩和する余地があるのではないかという問いを設定しモデル分析を行った。
経済主体(実験参加者)の行動モデルの特定化に依存するが、金銭的インセンティブを用いてプロジェクトの規模を拡大するような介入を行うことで政策効果を正しく推定できる場合があることを示すことに成功した。一方、前回までの実証実験の結果を開示するという介入方法ではバイアスを取り除くことができないことも判明した。これらの検討結果について、国内学会(実験社会科学カンファレンス)で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

政策効果が経済主体間で異なる場合や実証実験の便益費用分析など未着手な課題があり、学術誌への投稿には至らなかったため。

今後の研究の推進方策

2019年度は最終年度であるので、上記課題を踏まえ分析の進展及び論文の執筆を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Information Design, Signaling, and Central Bank Transparency2018

    • 著者名/発表者名
      Wataru Tamura
    • 雑誌名

      International Journal of Central Banking

      巻: 14(5) ページ: 223-258

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] On the Use of Nonrandomized Uncontrolled Trials2018

    • 著者名/発表者名
      田村 彌
    • 学会等名
      第22回実験社会科学カンファレンス
  • [学会発表] On the Use of Nonrandomized Uncontrolled Trials2018

    • 著者名/発表者名
      Wataru Tamura
    • 学会等名
      京都大学経済研究所 ミクロ経済学・ゲーム理論研究会

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公開日: 2019-12-27  

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