一つ目の成果は、出生行動と老年世代の引退時期が内生的に決まる場合における最適な年金制度と育児手当の設計を特徴づけた。この研究成果は老年世代の労働供給行動(引退行動)が最適な制度設計の形に大きく影響することを示した。
二つ目の成果は、借入制約が出生率にどのような影響を与えるのか理論分析をした。そこでは借り入れがしにくいほど出生率が上がる可能性を示した。借り入れのしやすさは出生行動に正の影響を与えるが、資本蓄積にはマイナスの影響が及ぶ。これらのトレードオフが最適な金融市場の「不完全度」を決定することを示した。
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