研究課題/領域番号 |
16K17095
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
久松 太郎 同志社大学, 商学部, 准教授 (60550986)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロバート・トレンズ / トレンズ=シーニア論争 / リカード・モデル / セー法則 |
研究実績の概要 |
2018年6月7~9日に開かれたヨーロッパ経済思想史学会第22回大会で、Rogerio Arthmar教授との共同研究“Colonel Torrens, Nassau Senior and the controversy over commercial policy and free trade”が同教授によって発表された(ただし、本研究代表者は、ほぼ同時期に別の学会報告があったために不参加)。2018年6月2~3日に開かれた経済学史学会第82回全国大会で「リカード・モデルの創造」の研究発表を行った。2018年度の研究の半分は、この論文の改訂・英文化作業にあてられた。この成果をオーストラリア経済思想史学会第32回大会で報告するために、エントリーした。同時に、本研究課題とも一部関連しているトレンズとセー法則についての研究を、Arthmar教授と共同で行ってきた。この研究は、本研究代表者が以前行った科研事業(B:25780144)の成果の一部、本研究代表者が分担者として携わっている科研事業(B:16H03602)の担当部分(トレンズ貨幣論に関する単独研究)の一部、そして本研究課題を遂行する途上で得られた知見の一部に、Arthmar教授による研究を総合してできたものである。この成果は、2019年5月23~25日に開かれるヨーロッパ経済思想史学会の第23回大会での報告にエントリーされた。昨年、掲載受理されていた共著論文「リカードはリカード・モデルを提示したのか」(田淵太一教授との共著)が『国際経済』に、また単著論文“Robert Torrens and the Ricardian Model of Dynamic Equilibrium Growth”がThe European Journal of the History of Economic Thoughtに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は元来、課題名にある通り、トレンズの貿易と植民に関する経済政策思想を対象とするものであったが、研究範囲があまりに広かったため植民政策に関する研究を一旦中止し、貿易政策を、理論、思想、方法論といったさまざまな視点から研究する方向に舵をとることにした。しかしそれでもなお、貿易政策に関する研究の途上で興味深い議論が次々に出てきたため、単独で全研究を遂行することを断念し、単著での研究と共著での研究を同時に走らせることにした。このような研究方法の変更のために遅れが生じてしまった。また、山本勝造関東学院大学准教授と共同で研究してきた理論モデルに関して、モデルが完成した後に、仮定段階での初歩的な欠陥が見つかり、この共同研究が一旦停止していることも遅れの要因のひとつである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初3年間の計画で予定されていたが、1年の延長申請を行った。また、本研究はもともとトレンズの貿易と植民に関する経済政策思想を対象とする計画であったが、植民政策に関する研究を一旦中止し、貿易政策を、理論、思想、方法論といったさまざまな視点から研究する方向に変更した。今後は、主に以下の3点の遂行を計画している。 第1に、Arthmar教授との共同研究論文“Colonel Torrens, Nassau Senior and the controversy over commercial policy and free trade”を、リカードウ研究会のメンバーが編集する英文論集のシリーズへ寄稿するための手続きをとる。 第2に、単著論文“On the Ricardian Model of International Trade”を2019年10月2~4日に開催されるオーストラリア経済思想史学会第32回大会で報告し、国際ジャーナルへ投稿する。 第3に、Arthmar教授との共同研究論文“Robert Torrens, the Quantitative Approach to Economic Theory and the Law of Markets”(一部に本研究課題が含まれる)を、国際ジャーナルへ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者であるArthmar教授を招聘する計画を立てていたが、研究代表者の学内業務多忙のためにこれを断念せざるを得なかった。このために生じた残額を、オーストラリア経済思想史学会の第32回大会での報告、またはヨーロッパ経済思想史学会の第23回大会への出席と“Colonel Torrens, Nassau Senior and the controversy over commercial policy and free trade”改訂のための調査(イギリス・ボルトン)旅費のいずれかにあてる予定である。
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