本研究では、イギリスにおける新自由主義(ニューリベラリズム)の思想が、戦間期日本にどのようにして受容されたかを、鶴見祐輔が主宰した新自由主義協会の運動と協会が発行した雑誌『新自由主義』を中心に分析した。 一年目には、雑誌の特徴と、雑誌で論じられている重要な論点について整理した。また、彼らの活動が力を持てなかった理由を考察した。二年目には、第一に、雑誌の執筆者たちが、西洋のどのような思想家から影響を受けたのか、雑誌記事からできるかぎり特定した。第二に、彼らが標語として使用した、自由や人格といった用語の定義を、新しく入手した雑誌をもとに行った。これらの研究成果は英語論文として発表した。
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