本研究では、看護職への労働供給の決定要因を探ることを目的に実証分析を行った。既に看護職に従事しているものでだけでなく、看護師資格を持つが、就業していない、もしくは、看護職以外の職業に従事している潜在的な看護職員も分析対象とし、特に賃金の果たす役割を定量的に明らかにすることを目的とした。具体的には、就業確率の賃金弾力性を推定した。実証分析の結果、看護師の就業確率は看護師の賃金、その他の職業の賃金の双方に対して非弾力的であることが示された。ただし、看護師の賃金に対しての弾力性の方がその他の職業の賃金に対する弾力性より大きいことが確認された。
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