研究課題/領域番号 |
16K17142
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
西田 喜平次 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (50631652)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カーネル回帰推定量 / 分散安定化 / 階層的医療システム |
研究実績の概要 |
平成28年度において、本研究課題の遂行上必要となるデータ解析手法である「分散安定化カーネル型回帰推定量」の理論的研究を行った。具体的には、局所線形カーネル型回帰推定量の漸近バイアス縮小を目的とした拡張推定量である、skewing推定量(Choi and Hall 1998, Biometorika)の凸結合で構成される推定量の重みを局所的に調節することにより、目的は達成されることを示した。提案手法は、Nishida and Kanazawa(2015 communications in statistics-theory and methods)で提案された分散安定化局所可変バンド幅を用いた手法とは異なる方法である上に、両手法は数式の展開上限界があるため、モンテカルロシミュレーションによる比較分析を行った。提案手法は実行上の制限を受けるものの、既存手法よりも分散安定化の程度と漸近的平均積分二乗誤差の観点から優れている証拠を見つけることが出来た。また分散安定化の代償となる平均積分二乗誤差の増分もある程度抑えられることも示した。提案手法を実行する上で望ましいカーネル関数の性質についても知見を得ることも出来た。研究成果は海外学術誌に投稿し現在査読中である。 成果の投稿完了後、本研究課題の主題である階層型医療システムに関するデータ解析の準備を行った。具体的には、階層型医療システムとジップ法則の関連性について文献調査を行い、データの収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題遂行上必要となるデータ解析手法の理論研究を1年目(平成28年度)に行い、階層的医療システムの解析を2年目に行う予定であった。平成29年度4月時点で2年目(平成29年度)に行う予定の研究に取り組むことが出来ているため、進捗は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
階層型医療システムに関する文献調査とデータ解析を引き続き行う。同時に、競争型の階層的医療システムの理論モデルを構築し、何らかの経済合理性により、階層医療システムが構築される理論的根拠の導出を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
洋書(3万円程度)の購入を取りやめたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、国内学会発表、文献購入、海外学会発表等の経費が必要となるため、それらの費用に充当する予定である。
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