本研究は従来の還流型移民の研究を発展させるとともに、企業と外国人労働者のマッチング・データなどを用いて、日本における高度外国人材(主にアジア出身者)の還流型移民の解明を試みた。日本企業で働く労働者を中心に分析し、補足として留学生の進路選択も考察した。企業の労働力分断(日本人と区別して外国人を雇用する)、終身雇用制度、文化の要因、言語の問題などが主な要因として検出された。さらに、労働市場の不完全性および賃金による影響が小さいものの、仕事満足度が重要な役割を果たすことが示された。最後に、経済学のアプローチで、日本で働く高度人材外国人の仕事満足度の決定要因について関連賃金の役割を中心に明らかにした。
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