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2017 年度 実施状況報告書

エジプトの若年失業、スキル・ミスマッチおよび学位インフレに関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 16K17146
研究機関独立行政法人国際協力機構(研究所)

研究代表者

関 麻衣  独立行政法人国際協力機構(研究所), 研究所, 研究員 (70771468)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードエジプト / 若年失業 / スキル・ミスマッチ / 学位インフレ / Arab Spring / E-JUST
研究実績の概要

データの基礎的な分析が進展したため、エジプト現地での出張を行い、現地でのヒアリングを通じてエジプト労働市場の地域・文化・経済制度上の特異点に関する理解を深めた。特に、JICAエジプト事務および現地専門家の協力を得て、教育および労働を管轄する関連省庁への現状課題の認識および政策方針についてヒアリングを行う事ができた。また、案件内で分析に使用しているEgypt-Labor Market Panel Survey (ELMPS)を監督しているエジプト人研究者(Prof. Ragui A. Assaad)、および分析対象地域における調査・研究を展開しているJ-PALとの懇談を通じて同国の社会・経済の課題と傾向について理解を深めた。関連して、高等教育の質向上を目的としたJICA案件であるE-JUSTのサイトを訪問し、学長および学生からのヒアリングを行った。若年雇用を巡る課題は、総じて需要要因(契約の不履行等、ビジネス環境の不備)が依然大きいことが実感された。ただし、供給要因(技術面よりソフトスキル)と、需給やスキルのマッチングにも改善余地があり、複数のドナー(特にEUが活発)および関連省庁が様々な施策を実施・検討している。E-JUSTの大学院教育は充実の機材を含め好評である一方、学部教育に関し、卒業生の就職に関する施策の必要性が認識されており、引き続き当該研究の重要性が確認された。さらに、(既婚)女性の就労に関しては、賃金よりも”appropriate work condition (対男性顧客でない職種、十分な人数の女性が就労する職場、女性に安全な通勤手段等)”の提供が鍵となるなど、基礎的分析結果の解釈を助ける学びが多いヒアリング結果となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データ分析の開始と現地出張を通じてより研究の方向性が明確になった。分析を開始して新たなリサーチクエスチョンが見つかったということもあり、他の研究との関連性も見えてきたので、概ね順調といえよう。

今後の研究の推進方策

引き続き分析を進め、論文にまとめる。ELMPSは2018年調査を開始しており、今後の研究にぜひ用いたい。関連したカナダデータを用いたDegree Inflation論文は査読付きジャーナルに投稿してコメント待ちなので、そちらも適宜直していく。日本データを用いた学位インフレおよびスキル・ミスマッチの研究も再度検討したい。発展成果発信のための現地出張時期については分析の完成度と現地の情勢を併せて適宜調整する。その他の学会・セミナー発表も適宜行う。

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公開日: 2018-12-17  

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