世界銀行によれば、アメリカの対中国赤字に由来する貿易摩擦は、世界経済の低迷リスクを上昇させる。アメリカの対外赤字の今後の行方を知ることは重要であり、本研究はアメリカ経常収支の決定要因を分析する。 本研究が注目する要因は、平均寿命である。統計分析の結果、アメリカの主要貿易相手国の平均寿命が上昇すると、最初はアメリカの経常収支赤字が拡大することが分かった。しかしながら、この関係性は近年反転し、貿易相手国の更なる高齢化が、むしろアメリカ経常収支の赤字を改善させていることが分かった。アメリカの貿易相手国の高齢化が今後急速に進むことは確実であり、本研究は、アメリカの赤字が今後は改善することを示唆する。
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