研究課題
若手研究(B)
本研究では、金融工学やリアルオプションの手法を用いて、債権者による負債のロールオーバー戦略と株主による企業の倒産戦略をひとつの枠組みで考察する理論モデルを構築したうえ、定性的かつ定量的な分析を行った。さらに、債権者と株主間の利害対立が、負債の満期選択における流動性リスクvs. 倒産リスクのトレード・オフ関係をもたらすことを明らかにした。また、負債の満期選択は順循環であることを示した。
コーポレート・ファイナンス
本研究課題の学術的意義は、不確実性と最適停止問題に適したオプション理論と経済主体の相互依存関係に適したゲーム理論を融合する分析手法を用いて、債権者のロールオーバーの意思決定と株主の倒産の意思決定に関する閾値の均衡戦略を導出したことである。社会的意義は、それらの分析から得られた実務的・政策的含意を、研究発表や論文刊行等を通じて広く知らせたことである。