2019年度には、戦前日本の電力社債における特殊な契約条項の意義について、報告することを予定している。当該研究課題については、明治学院大学図書館所蔵の日本興業銀行(1970)『社債一覧』をもちいて、データベースを作成し、それをもとにして、特殊な契約条項を採用している時期や規模、会社の特徴を検討した。研究成果については、2nd World Conference on Business HistoryにThe Corporate and Personal Network in Japanというテーマで応募し、採択された。筆者はAustralia Western Sydney State Perth CityにあるEdith Cowan UniversityのDr.Ian Austinと法政大学の金容度教授とともに、セッションを組んで、セッションの中の1つの報告を担当する予定となっている。 また、戦前期の日本企業の配当政策に関しても、資本市場や企業統治との関係から検討を加えた。その中で、特殊な慣行であった特別配当、臨時配当、記念配当に着目し、分析を加えた。分析にあたっては、明治学院大学図書館所蔵の電子データベースの1つである企業史料データベースをSSL-VPNを用いて分析を行った。分析結果については、産業経理協会から依頼があり、機関誌である『産業経理』に執筆し、近日刊行される予定となっている。
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